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バタッ人集落の匂い [スマトラ一人旅]

サモシール島をレンタルバイクで巡った。
反時計回りで島を周ればいくつかの観光地に行き着くが、あえて反対へと向かう。
湖岸沿いをしばらく走ると次第に道は細くなり山道へ。
するとバタッ建築の集落が現れた。バタッ建築とはこのあたりの少数民族の伝統家屋。
この島のホテルの多くがこの様式を模しているがどうやらこれは本物。
日本でいう重要文化財のような風合いがある。
これまでツーリストとはまったくすれ違ってもいない、
ここは観光地ではなく彼らのリアルな生活圏のようだ。
バタッ建築家屋jpg.jpg
とんがり帽子のバタッ建築は高床式住居。
聞いた話ではトイレで大きいほうをそのまま床下に落とすらしい。
落としたものは何かの肥料にでもするのだろうか?
走る牛飼いの少年.jpg
山の斜面に広がる農地を大きな牛がゆうゆうと闊歩していた。
写真撮影をしていると、牛飼いらしい少年が全速力でこちらへ向かってくる。
このあたりに外人が来るのは珍しいのだろう。
牛飼いの少年.jpg
「ポトレ」というと直立不動で、少し緊張気味。
僕も彼らもお互いに言葉を持ち合わせていない。無言だが、なんとか笑顔だけで
友好の意思を伝えあった。
僕はこういった匂いのする場所が好きだ。
いや、実際に匂いがするという意味ではない。
いくら有名な観光名所であっても見世物になって飾られているものではなく、
そこに生活があってこそ、心が揺さぶられるのだと思う。
そんな匂いのある情景を無意識に求めている。
日本語で「じゃあな」と手を振ると、「ニカッ」っと白い歯を見せて
牛のほうへ走り去っていった。


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